




「彼が半田で生きていた証を残したい。」
社会福祉法人ダブルエッチジェーの立石さんが、椎橋さんとの思い出を話してくれました。
椎橋さんは、仕事熱心で優しい人だったと言います。「男は仕事だ」とどんな時でも休むことなく、空き時間ができたときには絵を描いて過ごしていたそう。施設の職員さんの誕生日には、お給料からやりくりしてプレゼントを用意していたことも。
そんな椎橋さんが、怪我をしてしばらく仕事ができなくなった時がありました。真面目で我慢強いがゆえに、つい無理をしようとする彼。そこで職員さんが怪我をした左手を使わなくて済むように絵を描くことを薦めたそうです。これまでロボットや、鯉のぼりとドラゴンが融合した「コイノボリゴン」などたくさんの作品を残してきました。
ある時、彼は体調を崩して帰らぬ人に。それから5年が経った頃、施設から彼の作品が出てきました。立石さんは彼の描いた絵を「価値のある作品として伝えたい」と思い、アールブリュットの活動を始めました。
以前は大変な思いをして働いていた椎橋さん。40代に差し掛かる頃に福祉施設で働くようになり、仲良く人と話したり、褒められたり頼られたり。彼が職員さんに贈った似顔絵はみんなが家に持ち帰るほど気に入られていて、今でも大切にされているそうです。
text : haruka sugawara
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